高気密住宅での全熱交換気扇(ロスナイ)の効果についての検証
工藤住環境設計室の工藤です。
今回は全熱交換換気扇(ロスナイ)についてレポート致します!
先ず、ロスナイとは何かのご説明を致しますね。
ロスナイとはロス(エネルギーロス)が無い換気扇です。(実際には少しロスしますが)
余談ですが、ロスナイの名前の由来は、【ロスが無い→ロスナイ】・・・だと思います。
隙間が多い住宅の場合、それ程換気に気を使う必要は無いのですが、高気密住宅の場合、換気計画がしっかり出来ていないと、呼吸による室内の炭酸ガス濃度や湿度のコントロールが上手く出来ません。
換気の設計が高気密住宅の要と言っても過言では御座いません。
一般的に換気と言えば、換気扇によって排気する事が多いです。大事なのは【その時に排気した風量と同じ量の外気が室内に流入する】事です。
例えば冬の場合、換気扇を回すと、冷たい外気が室内に流入します。
これでは折角暖房をし、温めた空気を換気により捨て、冷たい外気を取り込んでしまう為、寒くなり、また空調エネルギーのロスとなります。
この、換気による温熱環境の悪化や、空調エネルギーロスを抑えてくれるのが全熱交換換気扇(ロスナイ)です。
ロスナイは室内の空気を排気する時に、【室内へ給気する外気と熱的に触れさす事により、排気と給気の熱交換】を行います。
この熱交換を行う時に全熱(温度と湿度)を交換致します。
よって、室内に給気される外気は、屋外温度より高い温度で給気される為、温熱環境の悪化や、空調エネルギーロスを抑える効果が御座います。
全熱交換を行う為、温度だけでは無く湿度も交換することが出来るので、冬場の室内の乾燥を抑える効果も御座います。
今回、このロスナイを私の自邸に設置致しました!
三菱電機製の壁掛型ロスナイです。
Amazonにて機器本体+専用パイプ+専用外部フード=2万円程度でゲットです。
施工費は自ら設置したので0円です!
このロスナイの特徴は給気ダクトと排気ダクトが100φのダクトを仕切り板にて分けている為、100φの穴1つあれば施工出来る事です。
よって、既存のパイプファンや給気口を利用して取付ける事が可能です。
今回も既存の給気口を利用して取付けを行いました。
先ず、取付け用プレートに専用パイプを取付け、既存給気口に取付けます。
そして、本体を取付けます。
カバーを取付け、内部工事は完了です。
外部は仕切り板付きパイプと外壁の隙間にコーキングを行います。
そして専用のパイプフードを取付け、施工完了です!
使用した感想は、熱交換も上手くできており、運転音もそれ程気にならず優れた商品だと感じました!
別売品で花粉やPM2.5を除去出来るフィルターもあり、またダクトレスの為、長いダクト経路内部のホコリやカビの問題も無く、アレルギー対策としても優れている換気扇だと思います。
換気扇本体もシンプルな構造の為壊れにくく、また壊れたとしても交換費用も抑える事が出来る、維持管理性にも優れた換気扇だと思います。
欠点は結構な大きさの換気扇なので、内装デザインが悪くなる事。
それと、音に敏感な方は運転音が気になると思います。
最後に、高気密住宅は換気計画が非常に重要です。どの換気方式が最適かは、建物のプランによって違います。
それぞれのプランに合った、最適な換気方式を選定致しましょう!