樹脂窓のガラス性能について
工藤住環境設計室の工藤です。
住宅の断熱性能に大きく影響を与える窓。
私どもが手掛ける建物では樹脂窓(YKKAP:APW330)を採用する事が多いです。
この樹脂窓ですが取付ける方位によって、ガラスの種類を選ぶ事で冷暖房効率を上げることが出来ます。
ガラス種別は大きく分けると【遮熱タイプ】と【断熱タイプ】に分かれます。
遮熱タイプのガラスはその名の通り、太陽の熱線を遮熱してくれるガラスです。
夏場の朝日・西日が当たる東面や西面の日射熱による、室内温度上昇を抑える効果が御座います。
南面の窓は夏場の日射熱を遮る庇や軒がある場合は、断熱タイプのガラスを選択します。
断熱タイプのガラスは太陽の日射熱を取り込み易いガラスです。
冬場、太陽の日射熱を取込み温かい室内環境にすることが出来ます。
北面に窓については太陽の日射が当たりにくく、太陽熱の取得が期待出来ません。
ガラスの熱貫流率(熱の伝わり易さ)が小さいガラス(遮熱タイプ)を採用致します。
【ガラスのまとめ】
遮熱タイプ:太陽の日射熱を遮るガラス。(熱貫流率が断熱タイプより優れている)
断熱タイプ:太陽の日射熱を取り込むガラス。
南面:断熱タイプのガラス。
東・西・北面:遮熱タイプのガラス。
また、ガラス種別だけでは無くスペーサーや、中空層に封入された気体によって性能が変わります。
スペーサーとは、ペアガラスの隙間を保つ為に入れるものです。
このスペーサーはアルミ製と樹脂製があり、樹脂製の方が熱を伝えにくく、断熱性能が向上します。
また、ガラスとガラスの間の中空層の気体は、乾燥空気とアルゴンガスが選択出来、断熱性能はアルゴンガスの方が良いです。
現在進行中の計画【宝川の平屋】ではAPW430の大開口スライディングを採用致しました。
真南に向いて取付しますので【日射取得型】のガラスを採用しています。(APW330とはガラス名称が異なります)
APW430のガラスはトリプルガラスです。
トリプルガラスとは、ガラスが3枚、中空層が2層のガラスの事です。
ガラスの総厚さはなんと41mm!
かなり重たいガラスなのですが、開閉する時はそれほど重さを感じません。
使い勝手については、後日レポート致します!
窓は住宅の温熱環境にとても影響を与えるものです。
当然コストも大事ですが、後から窓を交換するのはとても大変な事です。
温熱環境に後悔しない為にも、適切な窓・ガラスを選択致しましょう!