2012/08/11 | ブログ住宅設計のコツ

キッチンを考える

今日は住宅設計において奥さまたちが特に関心のあるキッチンについてお話致します。

もともとキッチンとは『裏方』の存在でダイニングやリビングとは別の部屋に設けられることが普通でした。

最近の住宅においてはダイニング・リビングと一体となり、LDKが当たり前になってきています。

しかし、昔からある分離型キッチン(クローズタイプ)が旧式でLDKタイプが進化型というわけではありません。

キッチンのタイプは住まう人それぞれの食事に対する考え方や使い方があり、家族ごとに見合ったスタイルが存在致します。

はやりに流されるのでは無く、自分に合ったキッチン・スタイルを見つけることが重要なのです。

では、LDKタイプで代表的な2つのタイプ『壁付型キッチンタイプ』と『対面型キッチンタイプ』を検証してみましょう。

●壁付型キッチンタイプ
このタイプの特徴は空間的に広がりを感じられるところが良い点です。

デメリットとしてはキッチンのあまり見せたくないシンク廻りなどが丸見えになってしまうところです。

調理器具にガスを採用した場合、建築基準法の内装制限の影響により天井部分に構造材あわらしの仕様が出来なくなります。

また、スペースの有効利用といった観点から対面型キッチンと比べた場合、それぞれ作業スペースが分散してしまうので、より多くのスペースが必要となります。

●対面型キッチンタイプ
このタイプの特徴はある程度区画されることにより、キッチンの内部を見せにくくすることが出来ます。

また、調理器具にガスを採用した場合でも、適切なタレ壁を設ける事によってリビング・ダイニングの天井部分に構造材あらわしの仕様が出来ます。

対面型キッチンタイプの最大のメリットは『つくる人と食べる人の会話』だと思います。

また、『つくる人と宿題をする子供との会話』だったりもします。

つくる人が壁に向かうのでは無く、ダイニングやリビングに向きながら調理することがこのキッチンタイプの特徴です。

作業スペースに関しても、キッチン部分・冷蔵庫部分・食器棚家電ボード部分を兼用出来るのでコンパクトにまとめることが出来ます。