2016/03/29 | ブログエコ住宅・住環境・温熱環境

エコで高性能断熱材セルロースファイバーとは?

住宅建築において良好な温熱環境にする為に欠かせないのが断熱材です。

しかし、建築基準法では住宅を建てる時に断熱性能に関する規制はありません。(2020年には省エネ法が義務化予定です)

現在では、断熱材が全く入っていない住宅でも建てることが出来るのです。

工藤住環境設計室では良好な温熱環境の住宅にする為に断熱材には「セルロースファイバー」断熱材を使用しています。

セルロースファイバーとは、新聞古紙を特殊な機械を使い粉砕して綿状にし、ホウ酸にて防燃処理を施した断熱材です。

古紙をリサイクルしていますので、他の断熱材と比べて製造にかかるエネルギーも少なくすることが出来、製造から廃棄されるまでの二酸化炭素も少なく、環境にとても優しい建築材料です。

また、セルロースファイバーは他の断熱材(グラスウールやロックウール)のようにたくさんの気泡を繊維の間に持っているだけでなく、繊維そのものにも多くの空気を含んでいるため、断熱性だけでなく防音・吸音作用も期待できます。

セルロースファイバーは木材と同じように呼吸し、高い調湿性能(湿気をコントロール)に優れています。

これは水蒸気が水滴となる前に湿気を吸って結露(けつろ)の発生を防いだり、乾燥した時にはその湿気を放出し加湿致します。

セルロースファイバーが呼吸を繰り返すことによって、水滴(結露)の発生や乾燥を防ぐ事ができる仕組みです。

施工現場では綿状のセルロースファイバーを壁の中などに吹き込み、隙間無く施工出来るので狭い隙間(コンセント回りなど)にも断熱材を行き渡らせる事ができます。

その為、他の断熱材で問題となる断熱欠損部分が無く高い断熱性能が期待出来ます。

窓などの開口部分の断熱補強と組み合わせることによって、光熱費を大幅に削減出来るのです。

冬場、断熱性能が悪い住宅の室温が22℃であっても、寒さを感じることがあります。これは空気の温度が22℃であっても、壁面や床面の断熱性能が悪いので、ふく放射によって熱を奪われているからです。

セルロースファイバー断熱材を使うことによって、上記のような寒さを感じることの無い「快適な温熱環境」にすることが出来ます。

木造住宅30坪程度の場合、セルロースファイバー断熱材を採用するとグラスウールやロックウールと比べてコストアップとなりますが、その高い断熱性能等や上記の快適な温熱環境を考慮すると極めて使用価値がある断熱材だと思います。