高断熱住宅はジメジメする?
工藤住環境設計室の工藤です。
連日の猛暑、めちゃくちゃ暑いですね!
今回のBLOGのタイトル、何か変なタイトルだと思いませんか?
高断熱住宅=良いイメージ。
ジメジメする=悪いイメージ。
高断熱住宅=ジメジメする!?
高断熱住宅はジメジメするのか?
答えは条件がそろえばイエスです!
このお話をする前に、顕熱(けんねつ)と潜熱(せんねつ)のお話を致します。
暑さ(熱)には顕熱と潜熱の2つの要素が御座います。
顕熱とは温度(℃)を表します。潜熱は湿度(湿気)の事です。
人が暑さを感じる時、これ以外にも作業量(運動量)や着衣量、気流や輻射も御座いますが、この2つの熱が大きく影響を与えています。
では、お家の中に居る時に暑さをしのぐ為にどうしますか?
外が涼しい場合(温度が低い又は湿度が低い)は窓を開けると涼しいですね。
しかし、連日の猛暑の場合はどうでしょう?
当然の事ながら、窓を締めエアコンを運転しますよね。
エアコンを運転すると、冷たい風が室内の空気を対流にて冷やしてくれ、涼しくなりますね。
ここまでは皆さんがよく経験する事だと思います。
高断熱住宅の場合、ちょっと困った現象が起きる場合が御座います。
それは、外気の温度が高く、湿度がとても高い時に起きる現象です。
高断熱住宅でエアコンを運転した場合、一般住宅と比べてエアコンの運転時間が短くなります。
これは、断熱性能が高いので、素早く温度を下げる事が出来る為です。
また、人間の体感温度は部屋の表面温度にも影響を受けます。夏場、高断熱住宅は壁や天井・床面の温度が、一般的な住宅と比べて低くなります。
これにより高断熱住宅は一般的住宅と比べて、エアコンの設定温度を少し高めても快適と感じます。
設定温度も少し高めに設定出来るので、素早くエアコンが設定温度にしてくれます。
設定温度になっても何か暑さを感じる・・・。
ジメジメする・・・。
そうです、湿度が高いのです。
高断熱住宅は断熱性能が悪いお家と比べて、エアコンの運転時間が短いので、湿気を取り切れ無い状態で弱運転になってしまう事が御座います。
これにより、ジメジメする事が御座います。
これを解決する方法は幾つか御座います。
1、エアコンの除湿(ドライ)運転を行う。
2、日射熱(顕熱)を取り込む。
3、エアコンの暖房運転を行う。
4、電気ストーブを使う。
現実的には1がお勧めですが、ドライ運転はエアコンのエネルギー効率が下がるので、光熱費を考えると2の方法がベストだと思います。
ここで重要なのは、基本的に湿気を取る方法はエアコンにより、結露を起こさせ空気中の水分量を減らすしか方法は無い事です。
言い方を変えれば、エアコンにより結露を発生させ湿気を取り、冷えすぎた室温を上げてあげる事が、快適な温度・湿度を保つコツです。
この室温を上げるのに、出来るだけエネルギーを使わない事が重要です。
この現象は映画館などの狭い空間に沢山の人が入る施設建築ではよくある事で、夏場でも暖房を動かす事はよくあります。
最後に、高断熱住宅の湿度対策はとても難しく、それぞれの建物の条件などにより検討が必要です。
工藤住環境設計室では、今後も検討・計算を行い更に快適な住宅を目指していきます。
P.S.文中に出てくる猫は飼っていますトラ次郎です。