2017/02/28 | ブログエコ住宅・住環境・温熱環境素材

断熱材セルロースファイバーを使う理由

工藤住環境設計室では古紙をリサイクルした断熱材、セルロースファイバーを使う事が多いです。

何故、セルロースファイバーを使うのか。

セルロースファイバーの特徴を見ていきましょう。

 

工藤住環境設計室で採用しているセルロースファイバーの工法はデコスドライ工法です。

この工法はセルロースファイバーを壁の中に吹き込んでいきます。

細かい部分にも吹き込む事が出来るので、コンセントボックスや筋違いの裏にも隙間なく施工する事が可能です。

また、高密度で吹き込むので、高い防音効果も御座います。

 

【セルロースファイバーは古紙なので、燃えやすいのでは?】

 

よく頂くご意見です。

セルロースファイバーはホウ酸により難燃処理されていますので、燃え広がる事は御座いません。仮に表面が焦げることがあっても有毒ガスは一切発生致しません。(ビニールやフィルムを含む断熱材は如何でしょう?)

 

そして、セルロースファイバーの一番の特徴は、吸放湿性能です。(自然素材系以外の断熱材ではこの性能は御座いません)

吸放湿性能に優れているので、ある程度の水蒸気を保持出来ます。

この事により内部結露・壁体内結露(壁の中の結露)の発生を抑える事が出来ます。

また、関西などの比較的温暖な地域では定常計算などの結露計算により、部屋内側に貼る防湿フィルムを省略する事も出来ます。

デコスドライ工法を認定施工店にて責任施工を行った場合、無結露20年保証が付きます!

詳しくは私のバイブル、西方設計の西方先生の本にも詳しく書かれています。

 

【セルロースファイバーとグラスウールはどちらがいいの?】

 

このご意見も良く頂きます。

施工精度やコストについて、グラスウールと比較してみましょう。

セルロースファイバーの施工は、大工さんでは無く、専門の断熱施工業者さんが隙間無く施工致します。(責任施工です)

一方、グラスウールの施工は大工さんが行う事が殆んどです。

この場合、大工さんは断熱工事のプロでは無いので、どうしても施工精度ムラが出やすいです。

しっかりとした、施工指導・管理を行う事が出来る工務店さん(新住協の会員さんなど)であれば、この問題は解決する事が出来ます。

 

コストについては、工藤住環境設計室が手掛ける30坪程度のお家にて、1階床下・外壁・屋根面(天井面では御座いません)にセルロースファイバーを施工した場合、60万円程度です。

セルロースファイバーの施工費用はCM分離発注方式での工事原価です。

グラスウールの場合、大工さんの日当と材料単価の合計となります。

注文住宅にて、各種造作などの複雑なお仕事を請負う大工さんの工賃は1日:2万円程度です。

筋違いやコンセントボックス廻りにも充填し、丁寧に施工すれば、最低でも1週間程度はかかります。7日掛かるとすれば施工費は14万円です。

高性能グラスウールの場合、材料費で40万円程度ではないでしょうか。

施工費+材料費を合計すれば、それほどの金額の差は出ないですよね。

セルロースファイバーは調湿性能があり、とても性能の良い断熱材です。

しかし、高性能な住環境にする為には、セルロースファイバーを使うだけでは実現出来ません。

もっと、セルロースファイバーについて詳しく知りたい方は是非、個別相談や完成見学会(3月18日・19日・20日)にお越し下さい!